○若狭消防組合震災警防規程
| (平成24年8月20日本部訓令第10号) |
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目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 震災警防対策の推進(第3条-第5条)
第3章 震災警戒体制(第6条-第13条)
第4章 震災非常警備体制(第14条-第20条)
第5章 津波対策(第21条)
第6章 震災警防活動(第22条-第45条)
第7章 訓練(第46条・第47条)
第8章 検討および報告(第48条・第49条)
第9章 準用(第50条・第51条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この規程は、消防組織法(昭和22年法律第226号。以下「組織法」という。)、消防法(昭和23年法律第186号。)、大規模地震対策特別措置法(昭和53年法律73号。以下「大震法」という。)および災害対策基本法(昭和36年法律第223号。)ならびに若狭消防組合警防規程(平成19年若狭消防組合消防本部訓令第1号。以下「警防規程」という。)に基づき若狭消防組合管轄内等における震災による被害を軽減するため、震災警戒体制、震災非常警備体制、震災警防活動、応援受入および資器材の整備等について必要な事項を定めるものとする。
(用語の定義)
第2条 この規程における用語の定義は、警防規程に定めるものを除くほか次の各号に定めるところによる。
(1) 震災とは、地震により発生する火災、救助、救急、津波、水災およびその他の事象で、通常の警防体制では対処できない災害をいう。
(2) 震災警戒体制とは、大震法第9条の規定により警戒宣言が発せられた場合、震度3以上の地震が群発する場合等において震災を警戒する体制をいう。
(3) 震災非常警備体制とは、震災が発生し、または震度5弱以上の地震が発生した場合等に全消防力を挙げて対処する体制をいう。
(4) 震災警防活動とは、震災警戒体制および震災非常警備体制時に震災による被害を軽減するために消防機関が行う活動をいう。
(5) 緊急地震速報とは、全国瞬時警報システムより速報される地震情報をいう。
第2章 震災警防対策の推進
(震災警防対策の推進)
第3条 消防長、次長、本部課長および署長(以下「所属長」という。)は、震災に対処するため、平素から震災関係規定を整備し消防力の強化を図り、消防職員(以下「職員」という。)および消防団員(以下「団員」という。)の活動能力の向上を図るとともに、自衛消防隊等の自主防災組織および住民に対し防災意識の高揚を図るものとする。
(所属長等の責務)
第4条 所属長は、震災警防活動(以下「警防活動」という。)を迅速かつ確実に行うために、防災関係機関等と連携し、警防活動対策をはじめとした諸施策を積極的に推進するものとする。
2 職員および団員は、平素から地震に関する知識を深め、関係規定を熟知するとともに、気力、体力および技能を錬成し、警防活動に万全を期するものとする。
(資器材等の調達整備計画)
第5条 消防長は、警防活動時に使用し、または収用できる資器材、情報収集手段等について調査し、調達および協定の締結が可能なものについては、あらかじめ関係機関等と協議し、迅速かつ円滑に調達または情報収集ができるようにしておくものとする。
2 消防長は、警防活動に必要な資器材等の整備を図るものとする。
第3章 震災警戒体制
(震災警戒体制の発令)
第6条 震災警戒体制(以下「警戒体制」という。)は、次の各号の基準により、消防長が発令する。
(1) 大震法の警戒宣言が発せられたとき、または福井県嶺南地方に震度3以上の地震が群発するとき。
(2) 福井県沿岸に津波注意報が発表されたとき。
(3) 消防長が必要と認めたとき。
(組織、編成および任務)
第7条 警戒体制時の組織、編成および任務は、警防規程の定めるところによる。
2 署長は、署所の配備人員の増強を図り震災に備えること。
(出場)
第8条 警戒体制時の出場は、警防規程に定める出場基準による。
(非常招集の発令)
第9条 消防長または署長は、警戒体制時に第7条に定める配備人員を確保するため職員に非常招集命令を発令する。
[第7条]
2 非常招集に関する必要な事項は、別に定める。
(応招)
第10条 前条の非常招集が発せられたとき、職員は速やかに所定の場所に応招し、所属長等に報告しなければならない。
2 職員は前条の命令に即応するため、平素から連絡方法を確保し、応招に必要な手段を整えておくものとする。
(情報収集)
第11条 次長は、警戒体制時所有する全ての機能を活用し情報収集を迅速かつ的確に行い、警防活動に活用するものとする。
2 前項により収集した情報のうち重要な情報は、消防長に報告および各所属に伝達するものとする。
(警戒体制の確保)
第12条 消防長は、警戒体制が長期にわたると予想される場合は、消防部隊の編成等に配慮し、効率的な震災活動が維持できる体制を確保するものとする。
(警戒体制の解除)
第13条 消防長は、警戒宣言が解除されたとき、または群発地震等が終息し警戒の必要がないと認めたときは、警戒体制を解除するものとする。
第4章 震災非常警備体制
(震災非常警備体制の発令)
第14条 震災非常警備体制(以下「非常警備体制」という。)は、次の各号の基準により、消防長が発令する。
(1) 福井県嶺南地方に震度5弱以上の地震が発生したとき、またはこれ以下の地震であっても重大な災害が発生し、もしくは発生するおそれのあるとき。
(2) 福井県沿岸に津波警報が発表されたとき。
(3) 震災が発生し消防長が必要と認めたとき。
2 前項第1号または第2号の場合は、消防長の事前命令により、自動的に非常警備体制を発令したものとする。
(組織、編成および任務)
第15条 非常警備体制時の組織、編成および任務は、警防規程の定めるところによる。
2 非常警備体制時の配備人員は、全職員とする。
(震災警防本部の設置)
第16条 消防長は、非常警備体制を発令したときは、消防本部に震災警防本部(以下「警防本部」という。)を設置するものとする。
(非常招集の発令)
第17条 消防長または署長は、非常警備体制時に第15条に定める配備人員を確保するため職員に非常招集命令を発令する。
[第15条]
2 前項の非常招集命令は、非常警備体制の発令をもつて非常招集命令を発令したものとする。
(応招)
第18条 前条の非常招集命令が発令されたとき職員は、特別の事由がない限り所定の場所に応招しなければならない。
2 職員は、前条の命令に即応するため、平素から連絡方法を確保、応招に必要な手段および携行品等を備えておくものとする。
3 職員は、積極的に地震情報の把握に努め、応招に備えるものとする。
(非常警備体制の確保)
第19条 消防長は、非常警備体制が長期にわたると予想されるときは、消防部隊の編成等に配慮し効率的な震災活動が維持できる体制を確保するものとする。
(非常警備体制の解除)
第20条 消防長は、震災の状況により非常警備体制を縮小することができるものとし、その必要がないと判断した場合は解除するものとする。
2 消防長は、震災の状況により所属を指定し、非常警備体制を解除することができるものとする。
第5章 津波対策
(津波対策)
第21条 署長は、津波に関する気象情報を受理した場合は、各市町の地域防災計画に基づき必要な措置を実施するものとする。
第6章 震災警防活動
(初動処置)
第22条 所属長等は、緊急地震速報を受信したときまたは福井県嶺南地方に震度4以上の地震が発生したときは、直ちに別に定める初動処置を開始しなければならない。
(震災警防活動の基本)
第23条 出場命令を受けた消防隊の各指揮者および隊員は、同時に多数の火災、救助および救急事案(以下「火災等」という。)が発生することを認識し、自己隊の責任で対処する決意をもつて消防力を最大限に発揮し、効果的な震災警防活動に努めなければならない。
(震災警防活動の主眼)
第24条 震災警防活動は、災害の発生件数、規模および態様に応じ、消防力を効果的に運用し、人命の安全確保と被害の軽減を図ることを主眼とする。
(震災警防活動方針の決定)
第25条 消防長および署長は、次の各号により災害対応方針を決定し、震災警防活動の万全を期するものとする。
(1) 延焼火災が多発した場合は、全消防力を挙げて消火活動を行う。
(2) 震災警防活動体制が確立した場合は、消火活動と並行して救助、救急活動等を行う。
(3) 延焼火災が少ない場合は、救助、救急活動等を主力に活動する。
(消防通信の運用)
第26条 非常警備体制発令時の警防本部と署間の通信は、有線通信を原則とする。
2 有線通信が途絶した場合は、無線通信または携帯電話によるものとする。
3 無線基地局に障害が発生した場合は、直ちに必要な処置を講じ、無線通信の確保に努めるものとする。
4 前各項のほか消防通信の運用については、若狭消防組合通信規程(平成10年若狭消防組合消防本部訓令第1号)および若狭消防組合消防通信運用要綱(平成10年若狭消防組合消防本部訓令第2号)の定めるところによる。
(消防通信統制)
第27条 震災時における消防通信の効率性および効果的な運用を確保するため、消防無線通信の統制を行う。
2 通信統制については、前条第4項の規定を準用する。
(情報の収集)
第28条 次長は、施設、通信機能等あらゆる手段により迅速かつ的確に情報を収集し、震災警防活動に活用するものとする。
2 情報収集の優先順位および警防本部への報告事項は別に定める。
(情報の報告等)
第29条 次長は、収集した情報を整理分析し、重要な情報を消防長へ報告するとともに、消防本部、署等に伝達するものとする。
2 前項の報告および伝達は、有線通信が可能な場合は、ファクシミリ伝送または消防電話を活用し、これにより難い場合は、無線通信または携帯電話を活用する。
(部隊運用)
第30条 非常警備体制中の消防部隊の運用は、警防本部からの運用を原則とする。ただし、高機能消防指令システムの損壊、災害の同時多発等により、部隊運用および統制が不能と判断した場合は、消防本部、署等の対応運用とする。
(出場)
第31条 非常警備体制時の消防小隊の出場は、原則管轄区域内のみとし、警防規程に定める出場基準による。
2 消防通信の輻そう等により出場指令を受けることができないとき、または受けるいとまのないときは、中隊長または小隊長の判断により出場することができるものとする。この場合において、出場後可能な限り消防長に報告するものとする。
(現場最高指揮者)
第32条 警防活動時の現場最高指揮者は、警防規程の定めるところによる。
(消防長等の出場)
第33条 消防長は、震災の状況により自ら指揮を取る必要があると認める場合に、出場するものとする。
2 次長または署長は、震災の状況により自ら指揮を取る必要があると認める場合、または消防長から出場を命じられた場合に出場するものとする。
3 消防長または署長は、震災の状況により新たに大隊長を指名し、出場を命じることができる。
(指揮者の判断)
第34条 出場部隊の指揮者は、震災の態様を的確に把握し、人命の安全確保を最優先するとともに、転戦による延焼拡大阻止および救助救急活動等の効果等を総合的に判断し、自隊の活動方針を決定するものとする。
(火災防ぎょ活動の原則)
第35条 火災防ぎょ活動の原則は、次の各号の定めるところによる。
(1) 火災の規模に比べて消防力が優勢と判断した場合は、積極的に攻撃的警防活動により火災を鎮圧する。
(2) 火災の規模に比べて消防力が劣勢と判断した場合は、人命の安全確保を最優先とし、道路、河川、耐火建築物、空地等を活用し守勢的警防活動により延焼を阻止する。
(3) 前各号のほか、火災防ぎょ活動について必要な事項は、別に定める。
(救助活動の原則)
第36条 救助活動の原則は、次の各号の定めるところによる。
(1) 同時に救助事象が多発している場合は、多数の人命を救護できる事象を優先に効率的な救助活動を行う。
(2) 同時に小規模の救助事象が発生した場合は、重症者を優先に救助活動を行う。
(3) 前各号のほか、救助活動について必要な事項は、別に定める。
(救急活動の原則)
第37条 救急活動の原則は、次の各号のとおりとする。
(1) 傷病者の搬送は、救命の処置を必要とするものを優先とし、救急病院等を定める省令(昭和39年厚生省令第8号)に定める医療機関等に搬送する。
(2) 傷病者に対する救急処置は、救命処置を必要とする傷病者を優先とし、その他の傷病者は、団員、普通救命講習受講終了者および自衛消防隊等の自主防災組織の協力を得て、自主的な応急手当を行わせるものとする。
(3) 傷病者が多数発生している場合は、若狭消防組合集団救急救助事故活動規程(平成21年若狭消防組合消防本部訓令第12号)の定めるところによる。
(4) 前各号のほか、救急活動について必要な事項は、別に定める。
(応援要請)
第38条 出場部隊の指揮者は、現場の態様から応援部隊を必要と判断した場合は、所要部隊数、所要資器材、集結場所等を付加して応援要請をするものとする。
2 消防長は、震災の態様から若狭消防組合の消防力では対応できないと認めた場合は、福井県広域消防相互応援協定または消防組織法に基づく応援要請を行うものとする。
3 消防長は、他の消防本部からの応援隊が有効的な活動が行えるよう、受援体制について対処するものとする。
4 前項の応援隊の受援体制に関し必要な事項は、別に定める。
(応援隊の派遣)
第39条 消防長は、他の機関から応援要請を受けた場合は、若狭消防組合管理者の承認を得て、警防体制に支障のない範囲において応援隊を派遣することができるものとする。
2 緊急消防援助隊等の応援出場については、福井県緊急消防援助隊応援等実施計画の定めるところによる。
(広報等)
第40条 次長は、警戒体制時および非常警備体制時は、防災関係機関と密接な連携を図り、被害調査を行うとともに、避難、出火防止その他効率的な広報活動を行うものとする。
(避難の通報等)
第41条 次長は、火災等の進展予測により住民を避難させる必要があると判断した場合は、構成市町の災害対策本部長に対し、火災等の進展予測、避難を必要とする地域避難の方法等の必要な情報を通報するものとする。
(資器材等の調逹)
第42条 次長は、災害の状況から現有の警防資器材等に不足を生ずると認める場合、現場から要請があった場合または要請が予測される場合は、必要資器材等の調達を行うものとする。
(職員に対する措置)
第43条 次長は、警防活動中に職員が受傷等をした場合は、その状況を消防長に報告するものとする。
2 次長は、非常招集により応招してきた職員から他の職員の家族等の状況を聴取し、消防本部、署等に連絡するものとする。
3 次長は、前項により情報収集出来なかった職員の家族等の状況について、必要な措置を講ずるものとする。
(庁舎等の応急処置)
第44条 次長は、震災により庁舎、消防機械器具等に被害が生じた場合は、状況を速やかに調査し、応急措置を講ずるとともに、その状況を消防長に報告するものとする。
(震災状況等の調査および記録)
第45条 次長は、震災が発生した場合、次の各号について調査し、震災状況調査書(別記様式1)に記録するものとする。
(1) 震災の被害状況
(2) 警防本部等の行った震災警防活動の状況
(3) 庁舎、消防機械器具等の被害状況
(4) 消防団および自衛消防隊等の自主防災組織の警防活動の状況
(5) 関係防災機関の活動状況
(6) その他必要と認める事項
第7章 訓練
(震災警防訓練の種別)
第46条 震災警防訓練の種別は、次の各号に定めるところによる。
(1) 非常招集訓練
(2) 情報収集訓練
(3) 初動対応訓練
(4) 通信運用訓練
(5) 部隊運用訓練
(6) 火災防ぎょ訓練
(7) 救助・救急訓練
(8) その他必要と認める訓練
(震災警防訓練の実施)
第47条 消防長および署長は、震災警防活動に必要な知識および技術を習熟させるため、震災警防訓練を計画的に実施するものとする。
第8章 検討および報告
(検討会の開催および報告)
第48条 消防長および署長は、震災警防活動または第46条に規定する震災警防訓練を実施した場合で必要と認めたときは、検討会を開催し、将来の震災対策に資するものとする。
[第46条]
2 署長は、前項の検討会を開催したときは、その結果を消防長に報告するものとする。
(震災警防活動の報告)
第49条 署長は、この規程に基づく震災警防活動を実施したときは、消防長に報告するものとする。
第9章 準用
(消防団への準用)
第50条 消防長および署長は、第14条、第15条第2項、第17条、第18条、第23条、第31条第2項、第35条から第37条および第43条第1項中の「職員」に係る事項を「団員」に準用し、消防団長を通じて団員に徹底させるものとする。
(委任)
第51条 この規程の施行に関し必要な事項は、別に定める。
附 則
この訓令は、平成24年9月1日から施行する。
附 則(平成26年4月1日本部訓令第4号)
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この訓令は、公布の日から施行する。
