○若狭消防組合違反処理規程事務処理要領
| (平成7年3月22日本部訓令第9号) |
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第1 趣旨
この要領は、若狭消防組合違反処理規程(平成7年若狭消防組合訓令2号。以下「違反処理規程」という。)に基づく事務処理について必要な事項を定めるものとする。
第2 措置命令に係る報告
違反処理規程第4条第3項に規定する法第3条第1項の報告は、若狭消防組合査察規程(平成7年若狭消防組合訓令第1号。以下「査察規程」という。)第44条の規定による屋外における措置命令報告書によるものとする。また、法第5条の3第1項の報告は、防火対象物における措置命令報告書(様式第1号)によるものとする。
第3 関係行政機関に対する通知等
違反処理規程第8条に規定する関係行政機関に対する通知等については、次のとおり行うものとする。
1 建築主事に対する通知等
建築基準法令の規定で建築物の防火に関するものに適合していない建築物(以下「違反建築物」という。)にあっては、次のとおり取り扱うものとする。
(1) 違反処理を行うに当たり、査察規程第33条に規定する違反通報を事前に行うこと。
[査察規程第33条]
(2) 建築主事が違反建築物に対して命令等の行政処分を行う場合で、当該建築物に法第5条および第5条の2の命令の対象となり得る重大な違反が放置されているときは、建築主事と連絡を密にしながら違反処理を行うこと。
[第5条]
2 その他の行政機関に対する通知等
その他の行政機関に対する通知等については、建築主事の場合に準ずるものとする。
第4 違反処理基準
違反処理規程第9条に規定する違反処理基準は、別表のとおりとする。なお、違反処理基準の運用に当たっては、次の事項に留意すること。
(1) 違反の事実が明白で、かつ、火災予防上もしくは人命安全上猶予できないと認める場合または特異な違反事案の処理に係る場合は、違反処理基準に定める措置順序によらないことができる。
(2) 一の防火対象物に措置の異なる複数の違反が併存する場合にあっては、原則として違反処理基準に定める措置のうち、最も上位の措置で一括して行うこと。
第5 違反の調査
1 違反処理規程第10条第2項の規定による調査は、次の事項に留意し、行うものとする。
(1) 適性かつ公平な調査を旨とし、厳正な態度で臨むこと。
(2) 関係者の民事的な紛争には、関与しないこと。
(3) 違反事実の確定には、防火対象物の用途、構造、規模または収容人員等の確認とあわせて、増築、改築または変更等の年月日の把握を的確に行うこと。
(4) 違反処理の対象となる関係者等(以下「違反者」という。)の特定に当たっては、法令上義務の生じないものを違反処理の客体としないこと。
(5) 資料の収集に当たっては、法第4条または第16条の5の規定による資料提出命令、報告徴収等の権限を有効に活用すること。
[第4条]
(6) 違反事実の証拠保全のため、写真を積極的に活用すること。
(7) 違反の確定に必要がある場合は、関係行政機関に対し関係資料の閲覧または交付を求めること。
(8) 違反者または目撃者等の参考人に対する質問調書を作成する場合は、早期に行うこと。
2 違反処理規程第10条第3項に規定する報告は、違反調査結果報告書(様式第2号)によるものとする。この場合における報告書の作成に当たっては、次の事項に留意するものとする。
(1) 既に実施した査察により違反事実を把握している場合は、その査察結果報告書をもって違反調査結果報告書に替えることができること。
(2) 違反調査のうち、緊急を要するものにあっては口頭で報告し、事後速やかに違反調査結果報告書により報告すること。
3 違反処理規程第10条第5項の規定により質問を行った場合は、次の事項に留意のうえ、その内容を質問調書(様式第2号の2)に記録しておくものとする。
なお、質問調書は、違反処理が命令等の上位の措置に移行すると予想される場合に作成するものとする。
(1) 防火対象物と被質問者との関係
(2) 防火対象物の業態および事業内容
(3) 防火対象物内の居住者および従業員の状況
(4) 違反の始期
(5) 違反事実の認知状況
(6) 情状
(7) その他違反事実の裏付け上必要と認める事項
第6 処理方針の決定等
違反処理規程第11条に規定する処理方針の決定に当たっては、次の事項に留意するとともに、処理方針が決定した場合は、防火対象物等または違反者の事情変更がない限り、当該処理方針に基づき違反処理を執行するものとする。
(1) 第5に決定する違反調査結果を十分に検討し、違反処理の措置区分を確定すること。
(2) 法令の適用に誤りがないよう検討するとともに、関係各課と十分に協議すること。
第7 違反処理の記録
1 違反処理規程第12条第1項に規定する記録は、違反処理簿(様式第3号)によるものとし、違反内容を常に把握できるよう管理するものとする。
なお、当該違反が位置、構造および設備に係る違反の場合は、違反処理対象物略図を作成し、違反処理簿に添付するものとする。
2 違反処理規程第12条第2項に規定する記録は、違反処理経過記録簿(様式第4号)によるものとし、次の事項に留意するものとする。
(1) 違反処理の過程を検討した結果はもとより、違反者の対応等についても時系列に記載すること。
(2) 記載した事項で重要と思われるものについては、そのつど伺い決裁を行うこと。
第8 警告等
1 警告または命令(以下「警告等」という。)を行う場合は、次の事項に留意するものとする。
(1) 警告等の名あて人は、警告事項または命令事項について履行義務のある者または行為者でなければならないので、十分に調査し、その特定を誤らないようにすること。
(2) 警告等の要件となる違反事実の確認および措置内容の決定は、おおむね次の事項を確認し、法令の適用を誤らないようにすること。
ア 違反処理対象物の建築(新築、増築、改築を含む。)の年月日、用途、規模または収容人員
イ 消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)別表に定める危険物に該当するか否か、および類別、品名、数量の該当区分
ウ 法令の改正、遡及または緩和規定等の有無および関係法令との関連事項
(3) 履行期限については、次の事項に配意すること。
ア 警告等の履行期限は、社会通念上および火災予防上の見地から判断し、履行可能にして、かつ、妥当なものとする。
イ 警告から命令に移行する場合は、警告における履行期限に影響されることなく命令の期限を決定すること。
(4) 警告等の文書を発行するときは、次の事項に配意すること。
ア 記載された文字は、原則として訂正しないこと。
イ 警告事項または命令事項が2葉以上にわたる場合は、その一体性を証するため公印で割印すること。
2 警告等を行った場合は、次のとおり違反処理結果の確認等を行うものとする。
(1) 警告事項または命令事項の履行状況をおおむね1箇月に1回以上確認するとともに、履行期限が経過したときまたは告発するときは、速やかに是正状況の調査を行うこと。
(2) 前記による確認または調査は、関係者の立会いを求め、第5の1に掲げる調査上の留意事項を遵守して、警告事項または命令事項の内容について綿密に行うこと。
第9 命令
命令を行う場合は、警告等に係る留意事項のほか、次の事項に留意するものとする。
1 違反処理規程第14条第2項に規定する口頭命令は、次のいずれかに該当するときに行うことができる。
(1) 火災予防上猶予できないと認めた場合、または火災が発生したならば人命危険が著しいと認める場合で、緊急に必要な措置をとらなければならないとき。
(2) 公共の安全の維持または災害の発生の防止のため、緊急に製造所、貯蔵所または取扱所(以下「製造所等」という。)の使用の一時停止もしくは使用を制限する必要があると認めるとき。
2 違反処理規程第14条第5項に規定する聴聞および弁明の機会の付与の手続きについては、次に定めるところによる。
(1) 聴聞 行政手続法(平成5年法律第88号)第3章第2節および若狭消防組合聴聞手続規則(平成6年若狭消防組合規則第10号)の規定
(2) 弁明の機会の付与 行政手続法第3章第3節の規定
3 違反処理規程第14条第6項に規定する命令の解除は、法第5条の2の防火対象物の使用停止命令または使用禁止命令を発した場合で、関係者が当該命令の要件を履行したときに行うものとする。この場合において、消防用設備等の維持管理状況および災害発生時の対応等について総合的に判断し、防火管理業務の適正化が図られたことを確認のうえ措置するよう留意すること。
第10 催告
違反処理規程第16条に規定する催告は、命令事項の履行促進を図るものであり、催告する時期は、履行期限が経過した後速やかに行うものとする。
第11 公示の方法等
1 違反処理規程第16条の2に規定する標識は、様式第5号(防火対象物)または様式第6号(危険物)に定めるものとし、公示の方法は、若狭消防組合公告式条例(昭和45年若狭消防組合条例第1号)第2条第2項に規定する掲示場への掲示とする。
2 1に係る標識の設置は、当該防火対象物のすべての出入り口の付近で、利用するものにとって、見えやすい場所に設置する。なお、当該防火対象物の管理について権限が分かれている場合、命令を受けた管理権原者の管理する部分の出入り口にも標識を設置すること。
(1) 標識の設置は、複数の職員で行うこと。標識設置のため、やむを得ず釘を打つ等の場合は、必要最小限とすること。
(2) 暴行もしくは脅迫を受け、標識の設置を拒み、もしくは妨げられた場合または設置した標識を損壊された場合については、直ちに管轄警察署に告発する等必要な措置を講ずること。
第12 許可の取消し
1 違反処理規程第17条第1項に規定する上申は、許可取消上申書(様式第7号)によるものとする。この場合においては、書類目録を作成し、違反処理報告書、違反現場の写真、質問調書およびその他関係書類等の必要書類を許可取消上申書に添付すること。
2 違反処理規程第17条第2項に規定する聴聞の手続については、第9の2の(1)に定めるところによる。
3 違反処理規程第17条第3項に規定する通知は、許可取消処分決定通知書(様式第8号)によるものとする。この場合において、許可の取消留保の通知を受けたときは、違反の是正に努めるものとする。
第13 告発
告発を行う場合は、次の事項に留意するものとする。
1 告発は、犯罪事実の構成要件に照応する証拠資料および情状等の認定資料を収集し、整備したうえで行うこと。
2 火災予防に関連する消防法令違反は、犯罪行為が終了したときを控訴時効の起算点とし、3年または5年を経過することによって、刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第250条による公訴時効が完成し、公訴権が消滅するものであること。
3 両罰規定により事業主に刑を科する場合には、時効期間は、事業主に対して定められた罰金刑が基準となり、公訴時効の期間が定められるものであること。
4 両罰規定を適用して事業主を告発する場合は、告発者側において当該事業主の監督責任を立証する必要がないものであること。
5 添付資料が謄本である場合は、当該資料が謄本である旨の作成者の認証を要するものであること。
第14 送達
送達を行う場合は、次の事項に留意するものとする。
1 警告書、命令書、許可取消書、戒告書、代執行令書および代執行費用納付命令書(以下「警告書等」という。)を交付するときは、違反者に口頭により違反の内容、危険性、措置内容その他必要な事項の説明を行うこと。
2 警告書等をやむを得ず、代理者に交付しなければならないときは、事業所等における上席の役職にあると認められるものまたは防火管理者に手交し、代理受領した旨を記載させること。この場合において、警告書等の「受領書」等をあらためて徴するため、代理受領者に「受領書」を交付し、後日速やかに提出させること。
3 警告書等の受領者が受領または受領の署名、押印を拒否した場合は、警告書等の控え余白にその旨を記載しておくこと。
第15 資料の準備
違反処理規程第21条に規定する資料のうち、違反現場写真は、違反の状況証拠として重要な資料であるから、写真撮影に当たっては、次の事項に留意すること。
(1) 違反の状態が客観的に明らかとなるように配慮して撮影すること。
(2) 違反状況は、全体的な状態および個々の状況を撮影すること。
(3) 関係者の立会状況を撮影すること。
(4) 危険物の違反であって、当該危険物が容器に収容されていて、内容物の有無が写真で確認しがたい場合は、危険物の収去状況を撮影すること。
(5) 原則としてカラー撮影すること。
(6) 写真撮影にあたっては、関係者との間で不要な混乱を起こさないよう配慮すること。
第16 報告
1 違反処理規程第24条第1項に規定する報告は、違反処理報告書(様式第9号)によるものとする。この場合において、警告書、命令書、許可取消書および告発書に要した文書の写しを添付するものとする。
2 違反処理規程第24条第2項および第3項に規定する報告は、違反処理完了報告書(様式第10号)によるものとする。
[違反処理規程第24条第2項] [第3項]
附 則
この要領は、平成7年4月1日から施行する。
附 則(平成15年9月16日本部訓令第9号)
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この要領は、公布の日から施行する。
附 則(令和2年7月1日本部訓令第4号)
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この訓令は、公布の日から施行する。
別表(第4関係)
違反処理基準表
| 項 | 違反事項(違反法条) | 処理基準 | 備考 | ||||
| 第1次措置 | 第2次措置 | 第3次措置 | 第4次措置 | ||||
| 1 | ア 屋外における火災予防上危険な行為 | 警告 | 措置命令(法第3条第1項) | 告発(法第44条第1号、法第45条) | |||
| イ 屋外における火災予防上危険な物件の放置 | |||||||
| ウ 屋外における消防活動上支障となる物件の放置(法第3条第1項) | |||||||
| 2 | ア 資料提出命令に違反し、資料の提出をせず、虚偽の資料を提出し、報告をせず、または虚偽の報告をした者 | 警告 | 告発(法第44条第2号) | 質問の拒否に対しては、罰則を設けていない。 | |||
| イ 正当な理由なく立ち入り、検査もしくは収去を拒み、妨げ、または忌避した者(法第4条第1項、法第16条の5第1項、法第34条第1項) | |||||||
| 3 | 1 | 防火管理者を選任していない者(法第8条第1項) | 警告 | 選任命令(法第8条第3項) | 告発(法第42条第1項第1号、法第45条) | 選任命令に関する処理手続きは、別記1のとおり。 | |
| 2 | 防火管理者に必要な監督業務を行わせていない者(法第8条第1項) | 措置命令(法第8条第4項) | 告発(法第41条第1項第2号、法第45条) | 措置命令に関する処理基準は、別記2のとおり。 | |||
| 4 | 1 | 統括防火管理者を選任していない者(法第8条の2第1項) | 警告 | 選任命令(法第8条の2第5項) | 選任命令に関する処理手続きは、別記1を準用。 | ||
| 2 | 統括防火管理者に必要な監督業務を行わせていない者(法第8条の2第1項) | 措置命令(法第8条の2第6項) | 措置命令に関する処理基準は、別記2を準用。 | ||||
| 5 | 防炎対象物品の使用に関する基準違反が認められる者(法第8条の3第3項) | 警告 | 告発(法第44条第3号、法第45条) | ||||
| 6 | 製造所等以外の場所で指定数量以上の危険物を貯蔵し、または取り扱っている者(法第10条第1項) | 措置命令(法第16条の6) | 告発(法第41条第1項第3号、法第45条) | ||||
| 7 | 製造所等における危険物の貯蔵、取扱いに基準違反が認められる者(法第10条第3項) | 警告 | 基準遵守命令(法第11条の5第1項、第2項) | 使用停止命令(法第12条の2第2項第1号) | 告発(法第42条第1項第4号、法第43条第1項第1号、法第45条) | 貯蔵所での貯蔵、取扱いまたは製造所および取扱所での取扱い行為以外の逸脱した態様での貯蔵、取扱いには、法第10条第1項を適用する。 | |
| 8 | 製造所等の位置、構造または設備を無許可で変更した者(法第11条第1項) | 警告 | 使用停止命令(法第12条の2第1項第1号) | 許可の取消し(法第12条の2第1項第1号) | 告発(法第42条第1項第2号、第4号、法第45条) | 1 本項は手続き違反に対する処理である。 | |
| 2 変更部分が基準に適合していないときに適用するものとする。 | |||||||
| 9 | ア 製造所等の完成検査合格前に使用していた者 | 警告 | 使用停止命令(法第12条の2第1項第2号) | 許可の取消し(法第12条の2第1項第2号) | 告発(法第42条第1項第3号、第4号、法第45条) | ||
| イ 仮使用承認を受けないで使用している者(法第11条第5項) | |||||||
| 10 | 製造所等の位置、構造および設備に基準違反が認められる者(法第12条第1項) | 警告 | 基準適合命令(法第12条第2項) | 使用停止命令(法第12条の2第1項第3号) | 許可の取消し(法第12条の2第1項第3号) | 第5次措置 | |
| 告発(法第42条第1項第4号、法第45条) | |||||||
| 11 | 製造所等の使用が公共の安全の維持または災害の発生上極めて危険な状態となっている者(法第12条の3) | 使用制限または使用停止命令(法第12条の3) | 告発(法第42条第1項第5号、法第45条) | ||||
| 12 | 1 | ア 危険物保安監督者を定めないで事業を行っている者 | 警告 | 使用停止命令(法第12条の2第2項第3号) | 告発(法第42条第1項第4号、第6号、法第45条) | ||
| イ 危険物保安監督者に必要な監督業務を行わせていない者(法第13条第1項) | |||||||
| 2 | 危険物取扱者でない者が、危険物取扱者の立ち会いなくして危険物を取り扱っている者(法第13条第3項) | 警告 | 告発(法第42条第1項第7号) | ||||
| 13 | ア 危険物保安統括管理者もしくは危険物保安監督者が法または法に基づく命令規定に違反した者 | 警告 | 解任命令(法第13条の24) | 使用停止命令(法第12条の2第2項第4号) | 告発(法第42条第1項第4号、法第45条) | ||
| イ 危険物保安統括管理者もしくは危険物保安監督者に保安監督業務を引き続き行わせることが、公共の安全の維持または災害発生防止上特に支障がある者(法第13条の24) | |||||||
| 14 | 1 | 予防規程の作成または変更に係る認可を受けないで、危険物を貯蔵し、または取り扱った者(法第14条の2第1項) | 警告 | 告発(法第42条第1項第8号、法第45条) | |||
| 2 | 予防規程の変更命令に違反したもの(法第14条の2第3項) | ||||||
| 15 | 製造所等の定期点検記録を作成せず、虚偽の点検記録を作成し、または点検記録を保存しなかった者(法第14条3の2) | 警告 | 使用停止命令(法第12条の2第1項第5号) | 許可の取消し(法第12条の2第1項第5号) | 告発(法第42条第1項第4号、法第44条第5号、法第45条) | ||
| 16 | 危険物の積載方法、運搬方法等に基準違反が認められる者(法第16条) | 警告 | 告発(法第43条第1項第2号、法第45条) | 危険物取扱者の同乗は必要ない。 | |||
| 17 | 1 | 危険物取扱者を乗車させずに移動タンク貯蔵所による危険物の移送をした者(法第16条の2第1項) | 警告 | 告発(法第43条第1項第3号、法第45条) | 同乗義務違反の責任の主体は、主として運転手であるが、関係者の指示があったと認められたときは、当該関係者とする。 | ||
| 2 | 危険物取扱者免状を携帯しないで移動タンク貯蔵所に乗車した者(法第16条の2第3項) | 告発(法第44条第6号) | |||||
| 18 | 製造所等において危険物の流出事故等に対する応急措置が、講じられていない者(法第16条の3第1項) | 応急措置命令(法第16条の3第3項、第4項) | 告発(法第42条第1項第9号、法第45条) | ||||
| 19 | 消防用設備等の未設置、一部未設置または維持管理に基準違反が認められる者(法第17条、条例第36条―第41条の2) | 警告 | 措置命令(法第17条の4) | 告発(法第41条第1項第5号、法第44条第12号、法第45条) | 措置命令に関する処理手続きは、別記4のとおり。 | ||
| 20 | 消防用設備等の点検結果を報告せず、または虚偽の報告をした者(法第17条の3の3) | 警告 | 告発(法第44条第11号、法第45条) | 1 第2次措置に移行する前に資料提出命令または報告徴収をするものとする。 | |||
| 2 消火器の未報告は、単独では処理しないものとする。 | |||||||
| 21 | 1 | みだりに消火栓、警鐘台等を損壊し、または撤去した者(法第18条第1項) | 告発(法第38条、第39条) | 1 本条第1項違反が同時に刑法第114条(鎮火妨害罪)に該当するときは、刑法が適用される。 | |||
| 2 「みだり」とは、正当な理由なくの意である。 | |||||||
| 2 | みだりに消火栓、警鐘台を使用し、またはその正当な使用を妨げた者(法第18条第1項) | 告発(法第44条第13号) | |||||
| 3 | みだりに消防信号等を使用した者(法第18条第2項) | 告発(法第44条第14号) | |||||
| 22 | 火災警報発令中、条例第30条に規定する火の使用制限に違反した者(法第22条第4項、条例第30条) | 警告 | 告発(法第44条第18号) | ||||
| 23 | 市町村長により指定された一定区域内において、たき火または喫煙の制限に違反した者(法第23条) | 警告 | 告発(法第44条第18号) | ||||
| 24 | 火災警戒区域における火気使用の禁止、退去の命令または出入の禁止もしくは制限に従わなかった者(法第23条の2) | 警告 | 告発(法第44条第19号) | ||||
| 25 | 消防警戒区域からの退去命令または出入の禁止もしくは制限に従わなかった者(法第28条第1項) | 警告 | 告発(法第44条第21号) | 消防吏員が現場において口頭で告発を行うときは、現場にいる上司の指示を受けるものとする。 | |||
| 26 | 1 | 製造所等から危険物を漏出させ、流出させ、放出させ、または飛散させて火災危険および公共の危険を生じさせた者(法第39条の2) | 告発(法第39条の2第1項、第2項、法第45条) | 本条は「公共の危険」を処罰要件とする具体的危険罪である。 | |||
| 2 | 製造所等から業務上必要な注意を怠り、危険物を漏出させ、流出させ、放出させ、または飛散させて火災危険および公共の危険を生じさせた者(法第39条の3) | 告発(法第39条の3第1項、第2項、法第45条) | |||||
| 27 | 少量危険物の貯蔵および取扱いまたは少量危険物貯蔵所の設置および維持に基準違反が認められる者(条例第31~第33条) | 警告 | 措置命令(法第3条第1項、法第5条第1項) | 告発(法第39条の3の2第1項、法第44条第1号、条例第55条、第56条) | 1 少量危険物取扱所で指定数量以上の貯蔵または取扱い行為が認められたときは、法第10条第1項違反とする。 | ||
| 2 屋外における無届け貯蔵または取扱いには、法第3条第1項が適用され、屋内における無届け貯蔵または取扱いには、法第5条第1項が適用される。 | |||||||
| 28 | 可燃性液体類等の貯蔵取扱いまたは可燃性液体類等取扱所の設置および維持に基準違反が認められる者(条例第34条) | 警告 | 措置命令(法第3条第1項、法第5条第1項) | 告発(法第39条の3の2第1項、法第44条第1号、条例第55条、第56条) | |||
| 29 | 綿花類等の貯蔵および取扱いまたは綿花類等取扱所の設置および維持に基準違反が認められる者(条例第35条) | 警告 | 措置命令(法第3条第1項、法第5条第1項) | 告発(法第39条の3の2第1項、法第44条第1号、条例第55条、第56条) | |||
| 30 | 火の使用に関する制限等にもかかわらず、火を使用した者(条例第24条―第29条) | 警告 | 措置命令(法第5条第1項) | 告発(法第39条の3の2第1項) | |||
| 31 | 火を使用する設備等の維持管理に基準違反が認められる者(条例第3条―第23条の2) | 警告 | 措置命令(法第5条第1項) | 告発(法第39条の3の2第1項) | |||
| 32 | 避難施設の維持管理に基準違反が認められる者(条例第42条―第47条、第49条) | 警告 | 措置命令(法第5条第1項) | 告発(法第39条の3の2第1項) | |||
| 33 | 防火施設の維持管理に基準違反が認められる者(条例第48条) | 警告 | 措置命令(法第5条第1項) | 告発(法第39条の3の2第1項) | |||
| 注 | |||||||
| 1 法第5条および第5条の2の命令を発する判断要素として、別記5に掲げる運用要領を示した。 | |||||||
| なお、本要領に掲げられていない事案については、当該命令の対象から除外されるものではなく、火災危険の実態に即し、この要領に準じて適正な措置を行うものとする。 | |||||||
| 2 この違反処理基準表における「法」は、消防法(昭和23年法律第186号)、「条例」は、若狭消防組合火災予防条例(昭和48年若狭消防組合条例第6号)とする。 | |||||||
別記1
法第8条第3項(防火管理者)
| 1 命令の条件 |
| 防火管理者が未選任の場合 |
| 2 命令に至るまでの措置 |
| 指示書の交付後も履行しない場合 |
| (1) 有資格者がいる場合 |
| ア 1箇月の期限を付記した警告書を交付する。 |
| イ 警告書の交付は1回とする。 |
| ウ 警告書の交付後も履行しない場合、警告書の交付からおおむね1箇月後に選任命令書を交付する。 |
| (2) 有資格者がいない場合 |
| ア 期限を付記した警告書を交付する。 |
| イ 警告書の履行期限は、次期講習期日を勘案した履行期限とする。 |
| ウ 警告書の交付は、1回とする。 |
| エ 警告書の交付後も受講しない場合または受講後も選任しない場合は、選任命令書を交付する。 |
| 3 留意事項 |
| 履行されるまでの間、防火管理者の選任予定者指定の指導を行うこと。 |
| なお、指定期間は、次期講習期日までの間とする。 |
別記2
法第8条第4項(消防計画)
| 1 命令の条件 |
| 消防計画が未作成の場合 |
| 2 命令に至るまでの措置 |
| (1) 指示書の交付後も履行しない場合 |
| ア 指示書を交付した1箇月後に防火対象物の規模に応じて期限を付記した警告書を交付する。 |
| イ 警告書の交付は1回とし、履行期限は1箇月から3箇月とする。 |
| (2) 警告書の交付後も履行しない場合 |
| 警告書の履行期限後、おおむね1箇月の期限を付記した命令書を交付する。 |
| 3 留意事項 |
| (1) 消防計画書作成指導用の手引を作り個別指導を十分に行うこと。 |
| (2) 履行されるまでの間、自衛消防組織編成表の提出指導を行うこと。 |
| 法第8条第4項(避難訓練) |
| 1 命令の条件 |
| 特定防火対象物で過去1年間避難訓練が未実施の場合 |
| 2 命令に至るまでの措置 |
| (1) 指示書の交付後も履行しない場合 |
| ア 指示書を交付した1箇月後に期限を付記した警告書を交付する。 |
| イ 警告書の交付は1回とし、履行期限は1箇月とする。 |
| (2) 警告書の交付後も履行しない場合 |
| おおむね1箇月の期限を付記した命令書を交付する。 |
| 3 留意事項 |
| 消防法施行規則第3条第11項の通報義務の指導を十分に行うこと。 |
| 法第8条第4項(火気使用または取扱い) |
| 1 命令の条件 |
| 火気の使用または取扱いが、条例第3章(第3条~第29条)のうち管理の基準の規定違反の場合 |
| 2 命令に至るまでの措置 |
| (1) 指示書の交付後も履行しない場合 |
| ア 指示書を交付した1箇月後に期限(違反事項の是正可能な期間)を付記した警告書を交付する。 |
| イ 警告書の交付は、1回とする。 |
| (2) 警告書の交付後も履行しない場合 |
| 期限(前記警告書の期限以内)を付記した命令書を交付する。 |
| 3 留意事項 |
| 警告書および命令書の期限については、違反内容(例・可燃物件の放置)により付記しない場合もあること。 |
| 法第8条第4項(避難または防火上必要な構造および設備の維持管理) |
| 1 命令の条件 |
| 避難または防火上必要な構造および設備の維持管理が、条例第47条または第48条の規定違反の場合 |
| 2 命令に至るまでの措置 |
| (1) 指示書の交付後も履行しない場合 |
| ア 指示書を交付した1箇月後に期限(違反事項の是正可能な期間)を付記した警告書を交付する。 |
| イ 警告書の交付は、1回とする。 |
| (2) 警告書の交付後も履行しない場合 |
| 期限(前記警告書の期限以内)を付記した命令書を交付する。 |
| 3 留意事項 |
| (1) 講習会等を通じて避難または防火上必要な構造および設備の維持管理の重要性について十分な啓蒙を図ること。 |
| (2) 警告書および命令書の期限については、違反内容(例・避難障害物件の放置)により付記しない場合もあること。 |
別記3
削除
別記4
法第17条の4(設備等の設置維持)
| 1 命令の条件 |
| (1) 消火設備 |
| ア 消火器 |
| 防火対象物またはその部分が全体にわたり未設置の場合 |
| イ 屋内消火栓設備 |
| (ア) 防火対象物の一の階が全体にわたり未設置の場合 |
| (イ) 一の未警戒区域の床面積が500平方メートル以上となる場合 |
| (ウ) 一の未警戒区域の床面積が義務設置床面積の合計の過半となる場合 |
| (エ) 加圧送水装置の送水機能または配管等の不良により全く加圧送水ができない場合 |
| (オ) 遠隔起動装置が防火対象物またはその部分の全体にわたり不良の場合 |
| (カ) 主電源の遮断等により正常に機能しない場合 |
| (キ) 非常電源が未設置の場合 |
| ウ スプリンクラー設備 |
| (ア) 防火対象物の一の階が全体にわたり未設置の場合 |
| (イ) 一の未警戒区域の床面積が100平方メートル以上となる場合 |
| (ウ) 加圧送水装置の送水機能または配管等の不良により全く加圧送水ができない場合 |
| (エ) 主電源の遮断等により正常に機能しない場合 |
| (オ) 非常電源が未設置の場合 |
| エ 水噴霧消火設備および泡消火設備 |
| (ア) 防火対象物の一の階が全体にわたり未設置の場合 |
| (イ) 加圧送水装置の送水機能または配管等の不良により全く加圧送水ができない場合 |
| (ウ) 主電源の遮断等により正常に機能しない場合 |
| (エ) 非常電源が未設置の場合 |
| オ 二酸化炭素、ハロゲンおよび粉末消火設備 |
| (ア) 防火対象物の一の階が全体にわたり未設置の場合 |
| (イ) ボンベ、配管等の機能不良により全く消火剤を放出できない場合 |
| (ウ) 主電源の遮断等により正常に機能しない場合 |
| (エ) 音響警報装置の音響が聞き取れない場合 |
| (オ) 防護区画の不良により有効に火災を消火できない場合 |
| (カ) 非常電源が未設置の場合 |
| カ 屋外消火栓設備 |
| (ア) 防火対象物またはその部分が全体にわたり未設置の場合 |
| (イ) 一の未警戒区域の床面積が1,000平方メートル以上となる場合 |
| (ウ) 一の未警戒区域の床面積が義務設置床面積の合計の過半となる場合 |
| (エ) 加圧送水装置の送水機能または配管等の不良により全く加圧送水ができない場合 |
| (オ) 主電源の遮断等により正常に機能しない場合 |
| (2) 警報設備 |
| ア 自動火災報知設備 |
| (ア) 防火対象物の一の階が全体にわたり未設置の場合 |
| (イ) 一の未警戒区域の床面積が義務設置床面積の合計の過半となる場合で、かつ、当該未警戒区域の床面積が100平方メートル以上となる場合 |
| (ウ) 音響装置の音響が防火対象物またはその部分の全体にわたり聞き取れない場合 |
| (エ) 感知器回路の遮断等により防火対象物またはその部分の全体にわたり火災感知が不能の場合 |
| (オ) 主電源の遮断等により正常に機能しない場合 |
| (カ) 非常電源が未設置の場合 |
| イ ガス漏れ火災警報設備 |
| (ア) 防火対象物の一の階が全体にわたり未設置の場合 |
| (イ) 未設置箇所の合計が防火対象物またはその部分の義務設置箇所の過半となる場合 |
| (ウ) 音響装置の音響が防火対象物またはその部分の全体にわたり聞き取れない場合 |
| (エ) 検知器回路の障害等により防火対象物またはその部分の全体にわたりガス漏れ検知が不能の場合 |
| (オ) 主電源の遮断等により正常に機能しない場合 |
| (カ) 非常電源が未設置の場合 |
| ウ 漏電火災警報器 |
| (ア) 防火対象物の全体にわたり未設置の場合 |
| (イ) 漏電火災警報器のすべてについて音響装置の音響が聞き取れない場合(遮断機能に障害がないものは除く。) |
| (ウ) 漏電火災警報器のすべてについて主電源の遮断等により正常に機能しない場合 |
| エ 非常警報設備 |
| (ア) 防火対象物の一の階が全体にわたり未設置の場合 |
| (イ) 音響装置の音響が防火対象物の全体にわたり聞き取れない場合 |
| (ウ) 主電源の遮断等により正常に機能しない場合 |
| (エ) 非常電源が未設置の場合 |
| (3) 避難設備 |
| ア 避難器具 |
| (ア) 防火対象物の一の階が全体にわたり未設置の場合 |
| (イ) 一の階のすべての避難器具が使用不能の場合 |
| イ 誘導灯 |
| (ア) 防火対象物の一の階が全体にわたり未設置の場合 |
| (イ) 一の階のすべての誘導灯について主電源(非常電源を含む。)の容量不足により識別不能である場合 |
| (4) 消火活動上必要な施設 |
| ア 連結散水設備 |
| 防火対象物の一の階の過半が未設置の場合 |
| イ 連結送水管 |
| 防火対象物の全体にわたり未設置の場合 |
| (5) その他 |
| 消防法施行令(以下「政令」という。)第32条または条例第41条の2の規定を適用し、一定の特例条件のもとに消防用設備等の設置を省略した場合の当該特例条件に適合しなくなった場合 |
| 2 命令に至るまでの措置 |
| (1) 是正計画書を提出期限内に提出しない場合は、その提出および違反事項の是正期限(違反是正可能な期間)内に履行すべき旨を併記して警告書を交付する。 |
| (2) 是正計画書に定める着工日に至っても着工しない場合、期限を記した警告書を交付する。 |
| (3) 警告書の交付後も履行しない場合、違反是正期限を記した命令書を交付する。 |
| (4) 警告書および命令書の違反是正期限は、同一期限とする。 |
| 3 留意事項 |
| (1) 警告書または命令書を交付してから履行までの間、代替(暫定)措置として防火管理面の強化を図らせること。 |
| (2) 複数の消防用設備等が違反となる場合の是正期限は、工事期間が最も長期にわたるものの期間とする。 |
| (3) 消防用設備等の工事期間は、消防用設備等の種類、防火対象物の構造規模等を勘案し、妥当な期間とする。 |
| (4) 是正計画書が著しく妥当性を欠く場合は、是正計画書の再提出を求めること。 |
| (5) 警告書は、消防用設備等の種類、規模等から、その実情により2回とすること。 |
| (6) 命令書の交付までには電話、現場出向等により事前に十分指導すること。 |
別記5
法第5条(防火対象物の改修・除去等)命令
| 項目 | 命令要件 | 運用要領 |
| 1 防炎性能を有しない防炎対象物品の使用(法第8条の3、政令第4条の3) | 1 防炎防火対象物のうち、防炎性能を有しない防炎対象物品がおおむね過半にわたって使用されているもの | 1 おおむね過半に至らないものについては、必要により警告の方法で是正を図るものとする。 |
| 2 工事中の建築物において防炎性能を有しない工事用シートがおおむね過半にわたって使用されているもの | 2 防炎性能を有しない防炎対象物品が次のような状態にある場合は、命令の対象から除外することができる。 | |
| (1) スプリンクラー設備により有効に警戒されているとき。 | ||
| (2) 内装、区画等から判断して、延焼拡大危険が少ないと認められる場合 | ||
| (3) 周囲における他の可燃物の収容状況から判断して、防炎対象物品のみが延焼拡大の要因と認められない場合 | ||
| (4) その他周囲の状況から特に延焼拡大危険が認められない場合 | ||
| 2 少量危険物貯蔵所、取扱所における危険物の貯蔵、取扱いに関する重大な基準違反(法第9条の4、条例第31条から第32条の9まで、第33条) | 条例の基準に違反しているもので、次のいずれかに該当するもの | 1 要件1に該当する例 |
| 1 みだりな火気の使用、危険物の漏れ、あふれまたは飛散等により火災等の災害発生危険が大きいもの | 可燃性蒸気が発生または滞留する恐れのある場所(塗装工事、自動車修理工場、ゴム工場等)で火花を発する機器等を使用している場合 | |
| 2 構造、設備等または管理の欠陥により火災等の災害危険があるものまたは火災が発生した場合の延焼拡大危険があるもの | 2 要件2に該当する例 | |
| (1) ボイラー室の壁、柱、床または天井が不燃材料で作られまたは覆われていない場合 | ||
| (2) 燃料タンクのフロートスイッチが破損または故障している場合 | ||
| (3) 吹き付け塗装室と作業場が防火上有効な隔壁で区画されていない場合 | ||
| (注) 屋外にある少量危険物に対しては法第3条第1項により措置することができる。 | ||
| 3 指定場所における裸火の使用または危険物品の持込み違反(条例第24条第1項) | 条例第24条第1項の規定に係る次の事項のいずれかに該当するもので、火災等の災害発生危険があるもの | 1 「危険物品」とは、法別表第1に掲げる危険物、危政令別表第4に掲げる指定可燃物、一般高圧ガス保安規則第2条第1項に掲げる可燃性ガス、火薬類取締法第2条第1項に掲げる火薬類および第2項に掲げる玩具、煙火、その他火災予防上危険と認められる物品をいう。 |
| 1 指定場所において条例基準および承認基準に適合しない状態で裸火の使用または火災予防上危険な物品の持込みを行ったもの | 2 要件1に該当する例 | |
| 2 承認の条件に違反して、前記1の行為を行っているもの | (1) 危険物を用いる煙霧発生機を屋内の舞台で使用する場合 | |
| (2) 百貨店の売場において実演販売のための危険物およびLPGを持ち込み裸火を使用している場合 | ||
| 3 要件2に該当する例 | ||
| 解除承認の条件である防火区画(不燃区画)の撤去、破損または機能不良の場合 | ||
| 4 使用禁止命令を行う場合の手続き | ||
| 承認を受けた場所における裸火等の使用禁止命令は、当該承認を撤回した後に行うものとする。 | ||
| (注) 劇場の客席等指定場所における禁止行為のうち、喫煙行為等人の行為自体を規制する場合は、法第8条第4項の措置による。 | ||
| 4 火気使用設備等の位置、構造および管理に関する重大な基準違反(法第9条、条例第3章第1節、第2節) | 1 火気使用設備等の位置、構造または管理の基準に適合していないもので、火災等の災害発生危険が著しく大きいもの | 1 使用禁止命令の期限 |
| 2 火気使用設備等の位置、構造または管理の基準に適合していないもので、火災等の災害発生危険があるもの | 使用禁止命令の期限は、欠陥箇所を改修するまでとする。 | |
| 2 要件1に該当する例 | ||
| (1) 本体、煙突、煙道または配管等に破損または亀裂があり、可燃物と接触または接近している場合で、異常過熱が認められるもの | ||
| (2) 周囲の可燃性造営材が炭化している場合 | ||
| (3) 燃料配管等に炭化、破損または亀裂が認められる場合 | ||
| (4) 可燃性ガスが滞留する場所でガスコンロ等を使用している場合 | ||
| 3 要件2に該当する例 | ||
| (1) 周囲の可燃性造営材および可燃性物品から火災予防上安全な距離が著しく不足し、かつ、有効な防火措置がなされていない場合 | ||
| (2) 燃料配管に老化、劣化または接続部のゆるみがあり、燃料もれの恐れがある場合 | ||
| (3) 安全装置付火気使用設備で安全装置の機能が不良な場合 | ||
| (4) 煙突が壁または天井を貫通する箇所で有効な防火措置がなされていない場合 | ||
| 5 電気設備等の維持管理に関する重大な基準違反(法第9条、条例第12条~第17条、電気事業法第48条第1項、第74条第2項、電気設備に技術基準各条) | 電気設備に係る法令違反しているもので、次のいずれかに該当するもの | 1 要件1に該当する例 |
| 1 配分電盤の開閉器、配線用遮断器、電線、機器等の絶縁不良漏電または異常過熱等により火災発生危険が大きいもの | (1) 絶縁材部分に異常過熱により、絶縁材等に損傷または炭化が認められるもの | |
| 2 位置、構造、設備または管理の欠陥により、火災の発生危険のあるもの、または火災が発生した場合の延焼拡大の危険があるもの | (2) 木造建築物の外壁のモルタル下地に用いる金属網と電線との絶縁が極度に不良の場合 | |
| 2 要件2に該当する例 | ||
| (1) 変電室を区画している壁体が、可燃材で造られている場合 | ||
| (2) テーブルタップコードの許容量を著しく超えて電気設備を使用し、コードが過熱している場合 | ||
| (3) ネオン管灯設備の高電圧部分が漏洩放電しており、周囲の可燃性造営材に着火危険のある場合 | ||
| 6 避難施設の維持管理に関する重大な基準違反(条例第42条~第47条、建基法第35条、建基令第117条~第123条、第124条~第125条の2) | 地階、無窓階または3階以上の階を特定防火対象物として使用している防火対象物で、次のいずれかに該当し、火災が発生した場合に人命危険が大きいもの | 1 要件1の構造不適となっているものに該当する例 |
| 1 直通階段、避難階段または特別避難階段が撤去され、または構造不適となっているもの | (1) 階段の出入口に設けられた防火戸やシャッターが破損、変形等により機能不良となっているもの | |
| 2 階段、出入口、廊下、通路等の避難施設に避難上支障となる工作物が放置され、または物件が存置されているもの | (2) 階段室等を多目的に使用しているもの | |
| 3 出入口または非常口の構造不適または管理不適により避難障害となっているもの | (3) 階段の改変、破損または腐食により構造耐力が保持されていないもの | |
| (4) 階段室の内装が不適なもの、または排煙設備が機能不良となっているもの | ||
| 2 要件3に該当する例 | ||
| (1) 避難口に設けてある戸の開放方向が内開きになっているもの | ||
| (2) 出入口の戸に設けられている解錠装置が機能不良のもの | ||
| (3) カーテン等により避難口が視認困難のもの | ||
| (4) 出入口の内外に近接して椅子、テーブル等の物件を存置する等により避難障害となっているもの | ||
| (注) 避難施設に避難上障害となる物件が存置されている場合、具体的人命危険排除の観点からすれば、法第5条命令の対象となり、また、防火管理業務の不適性事案とみるときは、法第8条第4項の命令の対象となる。 | ||
| 7 防火施設の維持管理に関する重大な基準違反(条例第48条、建基法第36条、建基令第112条、第114条第2項、第128条の3) | 地階、無窓階または3階以上の階を特定防火対象物として使用している防火対象物で、次のいずれかに該当し、火災が発生した場合に人命危険が大きいもの | 1 要件1の「機能を失っているもの」には、障害物の存置等により、障害となっているものも含まれる。 |
| 1 防火区画の開口部に設けられ防火戸、防火シャッター等が撤去されまたは機能を失っているもの | 2 命令に移行する事案 | |
| 2 防火区画を貫通するダクトに設けられた防火ダンパーが撤去され、または機能を失っているもの | 命令に移行する事案は、警告事項不履行のもので、竪穴区画に係る欠陥により火災発生時に上階への延焼危険が著しいものに限定する。 | |
| 3 防火区画の壁または床が撤去、破損されまたは配管貫通部の埋戻し不完全のもの |
法第5条の2(防火対象物の使用停止・禁止)命令
| 項目 | 命令要件 | 運用要領 |
| 1 違反の複合による重大な人命危険事案 | 地階、無窓階または3階以上の階を有する特定防火対象物で、次に掲げるすべての違反または事実が併存しているもの
1 防火区画もしくは避難施設が設置されていないものまたはこれらのものが過半にわたり構造不適もしくは機能不良となったいるもの 2 スプリンクラー設備(スプリンクラー設備の設置義務がないものにあっては、設置義務のある屋内消火栓設備および自動火災報知設備)が大部分設置されていないものまたはその機能を失っているもの 3 防火管理業務が適正に行われていないと認められるもの | 1 「防火区画」とは、建築物の延焼拡大を助長する要因を排除するための施設のうち、建築基準法施行令(以下「建基令」という。)第112条第1項に規定する区画(面積区画)および同条第9項に規定する区画(竪穴区画)をいう。
2 「避難施設」とは、廊下、階段および出入口をいう。 3 「過半にわたり」とは、階ごとの過半およびその総体としての過半をいう。 4 「機能を失っているもの」とは、機能不良の程度が著しくほとんど未設置と同様の状態にあるものをいう。 5 「防火管理業務が適正に行われていない」とは、消防計画の未作成、同計画に基づく訓練の未実施、火気使用設備・消防用設備等の維持管理を怠ったことにより重大な不備欠陥が認められる場合または避難誘導要員、屋内消火栓設備の操作要員、放送設備の放送要員が確保されていない場合などの要素を総合的に判断して、出火防止措置および火災時における初動措置を十分に行い得る体制をとっていないと認められる場合をいう。 (注1) 「防火区画もしくは避難施設が設置されていないもの」には、建築基準法(以下「建基法」という。)の既存不適格のものも含まれるが、命令を発する場合は、その設置については命令事項に含めないものとする。 (注2) スプリンクラー設備の設置に係る代替措置により政令第32条が適用され、これが適法に設置されている場合は、当該設備が設置されているものとして取り扱う。 (注3) 防火管理者が転勤等により、一時的に選任されていない場合であっても、防火管理業務が適正に行われている実態が認められる場合は、本要件に該当しないものとする。 (注4) 消防計画を作成している場合であっても、その内容が著しく当該防火対象物の実態に合っていないと認められる場合は、本要領の運用上、消防計画の未作成とみなす。 (注5) スプリンクラー設備の階設置の場合で、当該設備が設置されず、かつ、他の要件に該当している場合には、当該階層部分のみを使用停止の対象とする。 (注6) 本命令の要件に該当しない違反事案は、個々の違反事案に係る措置命令(法第5条の改修・除去命令、法第8条第3項の防火管理者選任命令、法第8条第4項の防火管理業務適正執行命令、法第17条の4の消防用設備等の設置維持命令)によって是正を図るものとする。 (注7) 建基法令上の構造違反等については、建築物の完成後3年を経過すれば公訴時効が完成するとされているが、このことは、当該違反について犯罪として処罰できないだけのことであって、当該違反が消滅するわけではないので、法第5条の2命令の発動を阻害する事由とはなり得ず、本運用基準による命令の運用には影響がない。 なお、この考え方は、建基法上の防火・避難施設に係る改修・除去命令の場合にも適用する。 (注8) 使用停止命令を受けた受命者が要件1または要件2に掲げる違反事項のいずれかを完全に履行した場合は、要件3を勘案して当該命令を解除するものとする。 |
| 2 木造3階等の使用による重大な人命危険事案(建築基準法第21条第1項ただし書の建築物を除く。) | 木造3階等の建築物を次のいずれかに使用しているもの
1 木造3階以上の部分を特定用途として使用しているもの 2 木造3階以上の部分を、寄宿舎・下宿・共同住宅その他これらに類するものとして使用しているもの 3 木造2階以上の部分を、老人福祉施設等または幼稚園として使用しているもの | 1 「木造」とは、建物の柱、はり、壁、床等の構造上主要な部分がほとんど木造のものをいう。
2 「木造3階等」には、2階以上の小屋裏部分を含む。 3 「特定用途」とは、法第17条の2の5第2項第4号に規定する特定防火対象物の主たる用途をいう。 4 「その他これらに類するもの」には、継続的に従業員の居住の用として使用しているものを含む。 5 「老人福祉施設等または幼稚園」とは、政令別表1の(6)項ロ、(6)項ハおよび幼稚園の主たる用途部分(もっぱら職員の使用に係る部分を除く。)をいう。 6 要件の適用除外事由 次に掲げる(1)または(2)に該当する場合は、命令対象から除外することができる。 (1) 自動火災報知設備が設置されているもので、避難階または地上に直接通ずる階段を有し、かつ、二方向避難経路が確保されているもの (2) 防火対象物の位置、構造、設備および管理の状況から、(1)と同等以上の安全が図られていると認められるもの (注1) 既存不適格建築物等でただし書の適用を受けるものに対しては、本命令を発動し得ないので、行政指導により人命危険の排除を図るものとする。 (注2) ただし書の適用を受けない建築物で、法令違反のないものに対して命令を発する場合は、法第6条第3項の損失補償の対象となる。 (注3) 本要領による使用禁止の範囲は、要件に該当する階または階の部分とする。 |
