| 項目 | 命令要件 | 運用要領 |
| 1 防炎性能を有しない防炎対象物品の使用(法第8条の3、政令第4条の3) | 1 防炎防火対象物のうち、防炎性能を有しない防炎対象物品がおおむね過半にわたって使用されているもの | 1 おおむね過半に至らないものについては、必要により警告の方法で是正を図るものとする。 |
| 2 工事中の建築物において防炎性能を有しない工事用シートがおおむね過半にわたって使用されているもの | 2 防炎性能を有しない防炎対象物品が次のような状態にある場合は、命令の対象から除外することができる。 |
| (1) スプリンクラー設備により有効に警戒されているとき。 |
| (2) 内装、区画等から判断して、延焼拡大危険が少ないと認められる場合 |
| (3) 周囲における他の可燃物の収容状況から判断して、防炎対象物品のみが延焼拡大の要因と認められない場合 |
| (4) その他周囲の状況から特に延焼拡大危険が認められない場合 |
| 2 少量危険物貯蔵所、取扱所における危険物の貯蔵、取扱いに関する重大な基準違反(法第9条の4、条例第31条から第32条の9まで、第33条) | 条例の基準に違反しているもので、次のいずれかに該当するもの | 1 要件1に該当する例 |
| 1 みだりな火気の使用、危険物の漏れ、あふれまたは飛散等により火災等の災害発生危険が大きいもの | 可燃性蒸気が発生または滞留する恐れのある場所(塗装工事、自動車修理工場、ゴム工場等)で火花を発する機器等を使用している場合 |
| 2 構造、設備等または管理の欠陥により火災等の災害危険があるものまたは火災が発生した場合の延焼拡大危険があるもの | 2 要件2に該当する例 |
| (1) ボイラー室の壁、柱、床または天井が不燃材料で作られまたは覆われていない場合 |
| (2) 燃料タンクのフロートスイッチが破損または故障している場合 |
| (3) 吹き付け塗装室と作業場が防火上有効な隔壁で区画されていない場合 |
| (注) 屋外にある少量危険物に対しては法第3条第1項により措置することができる。 |
| 3 指定場所における裸火の使用または危険物品の持込み違反(条例第24条第1項) | 条例第24条第1項の規定に係る次の事項のいずれかに該当するもので、火災等の災害発生危険があるもの | 1 「危険物品」とは、法別表第1に掲げる危険物、危政令別表第4に掲げる指定可燃物、一般高圧ガス保安規則第2条第1項に掲げる可燃性ガス、火薬類取締法第2条第1項に掲げる火薬類および第2項に掲げる玩具、煙火、その他火災予防上危険と認められる物品をいう。 |
| 1 指定場所において条例基準および承認基準に適合しない状態で裸火の使用または火災予防上危険な物品の持込みを行ったもの | 2 要件1に該当する例 |
| 2 承認の条件に違反して、前記1の行為を行っているもの | (1) 危険物を用いる煙霧発生機を屋内の舞台で使用する場合 |
| (2) 百貨店の売場において実演販売のための危険物およびLPGを持ち込み裸火を使用している場合 |
| 3 要件2に該当する例 |
| 解除承認の条件である防火区画(不燃区画)の撤去、破損または機能不良の場合 |
| 4 使用禁止命令を行う場合の手続き |
| 承認を受けた場所における裸火等の使用禁止命令は、当該承認を撤回した後に行うものとする。 |
| (注) 劇場の客席等指定場所における禁止行為のうち、喫煙行為等人の行為自体を規制する場合は、法第8条第4項の措置による。 |
| 4 火気使用設備等の位置、構造および管理に関する重大な基準違反(法第9条、条例第3章第1節、第2節) | 1 火気使用設備等の位置、構造または管理の基準に適合していないもので、火災等の災害発生危険が著しく大きいもの | 1 使用禁止命令の期限 |
| 2 火気使用設備等の位置、構造または管理の基準に適合していないもので、火災等の災害発生危険があるもの | 使用禁止命令の期限は、欠陥箇所を改修するまでとする。 |
| 2 要件1に該当する例 |
| (1) 本体、煙突、煙道または配管等に破損または亀裂があり、可燃物と接触または接近している場合で、異常過熱が認められるもの |
| (2) 周囲の可燃性造営材が炭化している場合 |
| (3) 燃料配管等に炭化、破損または亀裂が認められる場合 |
| (4) 可燃性ガスが滞留する場所でガスコンロ等を使用している場合 |
| 3 要件2に該当する例 |
| (1) 周囲の可燃性造営材および可燃性物品から火災予防上安全な距離が著しく不足し、かつ、有効な防火措置がなされていない場合 |
| (2) 燃料配管に老化、劣化または接続部のゆるみがあり、燃料もれの恐れがある場合 |
| (3) 安全装置付火気使用設備で安全装置の機能が不良な場合 |
| (4) 煙突が壁または天井を貫通する箇所で有効な防火措置がなされていない場合 |
| 5 電気設備等の維持管理に関する重大な基準違反(法第9条、条例第12条~第17条、電気事業法第48条第1項、第74条第2項、電気設備に技術基準各条) | 電気設備に係る法令違反しているもので、次のいずれかに該当するもの | 1 要件1に該当する例 |
| 1 配分電盤の開閉器、配線用遮断器、電線、機器等の絶縁不良漏電または異常過熱等により火災発生危険が大きいもの | (1) 絶縁材部分に異常過熱により、絶縁材等に損傷または炭化が認められるもの |
| 2 位置、構造、設備または管理の欠陥により、火災の発生危険のあるもの、または火災が発生した場合の延焼拡大の危険があるもの | (2) 木造建築物の外壁のモルタル下地に用いる金属網と電線との絶縁が極度に不良の場合 |
| 2 要件2に該当する例 |
| (1) 変電室を区画している壁体が、可燃材で造られている場合 |
| (2) テーブルタップコードの許容量を著しく超えて電気設備を使用し、コードが過熱している場合 |
| (3) ネオン管灯設備の高電圧部分が漏洩放電しており、周囲の可燃性造営材に着火危険のある場合 |
| 6 避難施設の維持管理に関する重大な基準違反(条例第42条~第47条、建基法第35条、建基令第117条~第123条、第124条~第125条の2) | 地階、無窓階または3階以上の階を特定防火対象物として使用している防火対象物で、次のいずれかに該当し、火災が発生した場合に人命危険が大きいもの | 1 要件1の構造不適となっているものに該当する例 |
| 1 直通階段、避難階段または特別避難階段が撤去され、または構造不適となっているもの | (1) 階段の出入口に設けられた防火戸やシャッターが破損、変形等により機能不良となっているもの |
| 2 階段、出入口、廊下、通路等の避難施設に避難上支障となる工作物が放置され、または物件が存置されているもの | (2) 階段室等を多目的に使用しているもの |
| 3 出入口または非常口の構造不適または管理不適により避難障害となっているもの | (3) 階段の改変、破損または腐食により構造耐力が保持されていないもの |
| (4) 階段室の内装が不適なもの、または排煙設備が機能不良となっているもの |
| 2 要件3に該当する例 |
| (1) 避難口に設けてある戸の開放方向が内開きになっているもの |
| (2) 出入口の戸に設けられている解錠装置が機能不良のもの |
| (3) カーテン等により避難口が視認困難のもの |
| (4) 出入口の内外に近接して椅子、テーブル等の物件を存置する等により避難障害となっているもの |
| (注) 避難施設に避難上障害となる物件が存置されている場合、具体的人命危険排除の観点からすれば、法第5条命令の対象となり、また、防火管理業務の不適性事案とみるときは、法第8条第4項の命令の対象となる。 |
| 7 防火施設の維持管理に関する重大な基準違反(条例第48条、建基法第36条、建基令第112条、第114条第2項、第128条の3) | 地階、無窓階または3階以上の階を特定防火対象物として使用している防火対象物で、次のいずれかに該当し、火災が発生した場合に人命危険が大きいもの | 1 要件1の「機能を失っているもの」には、障害物の存置等により、障害となっているものも含まれる。 |
| 1 防火区画の開口部に設けられ防火戸、防火シャッター等が撤去されまたは機能を失っているもの | 2 命令に移行する事案 |
| 2 防火区画を貫通するダクトに設けられた防火ダンパーが撤去され、または機能を失っているもの | 命令に移行する事案は、警告事項不履行のもので、竪穴区画に係る欠陥により火災発生時に上階への延焼危険が著しいものに限定する。 |
| 3 防火区画の壁または床が撤去、破損されまたは配管貫通部の埋戻し不完全のもの |