○若狭消防組合査察規程運用要領
| (平成7年3月22日本部訓令第8号) |
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第1 趣旨
この要領は、若狭消防組合査察規程(平成7年若狭消防組合訓令第1号。以下「規程」という。)の運用について必要な事項を定め適正な査察業務の推進を図るものとする。
第2 査察に関する事項
1 第9条関係(業務の効率化)
査察業務量とは、次に定める仕事量を総合したものをいう。
(1) 査察執行に必要な仕事量 査察執行に係る事前準備、質問、検査、立入検査結果通知書等の作成および往復に要する時間が含まれる。
(2) 違反処理に必要な仕事量 確認査察および違反処理に要する時間が含まれる。
(3) 点検報告、統計関係および改修相談等の事務処理に要する時間が含まれる。
2 第10条関係(資質の向上)
査察員に対する教養は、署内教養科目として位置づけして査察技術等の向上を図るほか、予防業務担当者会議等の開催または研究会等への参加を通じて、査察員の資質の向上を図ること。
3 第12条関係(査察対象物の区分)
(1) 査察対象物一覧表は、管轄区域内の防火対象物の実態把握および査察計画樹立の基礎資料としての活用に資するものであり、原則として査察対象物のすべてについて整備すること。ただし、2号B対象物についてはこの限りでない。
(2) 査察対象物一覧表は、若狭消防署および分署(以下「所属」という。)において作成し管理することとし、その写しを若狭消防組合消防本部に提出することとする。
(3) 査察対象物一覧表および規程第43条に定める防火対象物台帳ならびに危険物台帳は、消防法令等の改正に伴う法令適用およびその経過等による設備の改修指導の判断資料ならびに統計作成資料等幅広く活用するものであること。
[規程第43条]
(4) 査察対象物一覧表は、防火対象物の変更事情について、その都度修正するものであること。
4 第17条関係(年度査察計画)
年度査察計画は、所属ごとに作成するものとする。
5 第18条関係(月中査察計画)
月中査察計画は、査察の具体的な執行計画であることに留意し重点、かつ、効果的な査察執行が図られるよう査察人員等を勘案して、所属ごとに樹立するものとする。
6 第19条関係(査察基準)
(1) 1号A対象物の査察については、規程第19条第1項第1号に掲げるものは、1年以内に1回以上、その他の1号A対象物は、2年以内に1回以上実施するものとする。
(2) 1号B対象物および2号A対象物の査察については、3年以内に1回以上実施するものとする。
(3) 上記以外の査察については、特異事象の発生したとき等をとらえて実施するものとする。
(4) 消防署長(以下「署長」という。)は、前各号において特に査察を必要と認める場合は、期間の短縮をするものとする。
7 第21条関係(通告)
立入り検査を行う場合は、平常時における消防用設備等、通路、階段等の管理状況を確認するため、原則として事前の通告は行わないものであるが、関係者の立会が担保できない場合は例外的に事前の通告を行うものであること。
8 第22条関係(検査の着眼項目)
立入り検査の際における検査の基準となるべき法令等は、きわめて広範囲、かつ、複雑であることおよび各査察員の統一的な検査が実施できるよう検査の着眼項目を示したものであること。
なお、法令による画一的な規定だけでは、火災予防の目的を十分に達成することが困難な場合もあるので、これらについては、経験上導き出された火災予防上の必要事項についても指摘する必要があること。
9 第23条関係(査察執行要領の基本)
(1) 本条は、査察執行要領の基本を定めたものであり、自主検査結果記録等を備えている査察対象物については、すべて適用されるものであること。
(2) 自主検査結果記録等の検閲に当たっては、次に掲げるものを重点として行い、それ以外のものについては、適宜検閲を省略することができる。
ア 消防用設備等にかかる点検結果記録(総合点検等)
イ 製造所等の定期点検記録
ウ 防火管理業務として行う自主検査記録
(3) 「当該設備等を構成する中枢部分」とは、屋内消火栓設備またはスプリンクラー設備の加圧送水装置および主制ぎょ弁、自動火災報知設備の受信機等をいうものであること。
(4) 「有効に活用し得るか否かを確認」とは、次に掲げる消防用設備等および防火避難施設の検査をいう。
ア 屋内消火栓設備の放水試験
イ スプリンクラー設備の末端試験弁
ウ 自動火災報知設備の受信機の試験装置による試験(火災表示、回路導通、音響装置鳴動および予備電源切替えの各試験)
エ 非常警報設備(放送設備)の放送試験
オ 防火戸および防火シャッターの機能
(5) 前号の確認は、消防用設備等または防火避難施設の使用の状況によって検査箇所を特定して実施するものとする。
(6) 査察によって把握した災害発生時の円滑な対応に必要な情報等については、関係各係に情報を提供し有効活用を図るものであること。
10 第24条関係(査察執行時の留意事項)
立入検査に出向する際は、査察対象物の関係資料、過去に行った立入検査結果通知控または消防関係法令集等必要な資料を携帯し、検査および質問に際しては明確な指導を行うこと。
11 第25条関係(1号査察執行要領)
(1) 査察は、2名の査察員により執行するものとする。ただし、必要性および効率的な場合は、この限りでない。
(2) 服装は、制服、制帽とする。ただし、査察対象物の状況および検査の内容等によっては、活動服、アポロキャップとすることができるものとする。
(3) 共同住宅、下宿および寄宿舎の査察については、共同部分を重点に実施するものとし、個人の住居部分については、特に緊急の必要がある場合以外は、行わないものとする。
(4) 複合用途防火対象物において、その部分を限定して検査を実施するときは、対象物全体にかかる共用部分および設備についても、検査を行い機能等を確認する。
12 第26条関係(2号査察執行要領)
(1) 査察は、1号査察に準ずるものとする。
(2) 服装は、1号査察に準ずるものとする。
(3) 2号B対象物に対する査察については、未把握対象物の調査等を主体として行い、町内会等地域を単位として実施する住宅防火指導(訪問)と同様に取り扱うものであること。
13 第27条関係(関係者に対する査察結果の通知)
(1) 通知書の不備欠陥事項は、消防法令関係事項、他法令関係事項および指導事項を順に記載するものであること。
(2) 各立入検査結果通知書において不備欠陥事項等が認められない査察対象物への交付は、消防対象物にあっては「つぎの不備欠陥事項がありましたので、早急に改修されるよう通知します。」を2本線で消し、今回の査察で不備欠陥事項が認められなかった旨を明記して交付する。また危険物関係にあっては「下記の□を付した事項に不備が認められるので、速やかに改善されるよう通知します。」を2本線で消して交付するものとする。
14 第28条関係(立入検査結果通知書等の取扱要領)
(1) 消防対象物の関係者から求めがあった場合または管理形態上から必要と認めた場合は、立入検査結果通知書を複数作成し交付するものとする。
(2) 消防対象物の関係者から、特別の様式による通知書等の要請があった場合は、できる限りこれに応ずることとし、署長の決裁後交付するものとする。この場合において、当規定による通知書は省略することができる。
(3) 本条において、分署については、署長を分署長に読み替えるものとする。
(4) 消防長への報告は、特に顕著な違反指摘事項以外は必要としない。
15 第29条関係(査察結果の報告および記録)
(1) 立入検査結果通知書控の提出は、業務担当員において、表紙(起案用紙)に添付して報告の後、防火対象物台帳または危険物台帳の付表に必要事項を転記すると同時に規程第32条に定める月中査察実施結果報告書を作成するものとする。
[規程第32条]
(2) 月中査察実施結果報告書は、所属ごとに作成するものとする。
16 第30条関係(改修の報告)
(1) 改修(計画)報告書は、立入検査結果通知書を交付する際にあわせて配布し、不備欠陥事項等の改修促進を図るものとする。
(2) 提出期限については、査察対象物の実態に応じ、弾力的に運用を図るものとする。
17 第33条関係(他行政庁に対する通知)
本条において、「別に定めるもの」とは、別表第1のとおりとする。
[別表第1]
18 第34条関係(特異事項の調査、報告)
(1) 危険物施設等災害報告事項は、総務省消防庁への報告内容と整合性を図ったものであること。
(2) 特異な事象等の報告に関して、様式を定めないものにあっては、適宜な様式によるものであること。
(3) その他査察業務に必要な事項等とは、査察執行時または往復途上における受傷等の事故(軽微なものを除く。)、立入検査結果通知書の受領拒否等であること。
19 第36条関係(特別査察の執行要領)
特別査察により査察を実施した消防対象物は、それぞれ1号、2号査察を実施したものとして扱うものであること。
20 第37条関係(臨時査察の執行要領)
(1) 若狭消防組合火災予防条例(昭和48年若狭消防組合条例第6号)第52条第3号に基づき届出された催物の開催届出書等の内容および各種情報等をもとに、査察執行の必要性の有無を判断するとともに、会場管理計画については、その実効性を高めるため、提出前に十分指導を行うものとする。
(2) 消防対象物の管理義務は、当該対象物の関係者にあることから、特別な事情がある場合(天皇および皇族の行幸、行啓等)以外は、査察員が直接管理にたずさわることなく、関係者に徹底した防火管理を行うよう指導すること。
(3) 前号の趣旨から査察員の指定は、必要最小限とすること。
第3 屋外の火災予防措置に関する事項
1 第44条関係(屋外の予防措置)
関係者に対して口頭で直接措置を命じた場合の事務処理である。
2 第46条関係(物件の除去、保管等)
(1) 「物件の除去」は、屋外物件について廃棄処分ができず、かつ、整理方法をもってしても火災予防上の危険または消防活動上の障害を排除することができないと認めるときに行い得る措置であること。
(2) 「保管に適する場所」とは、物件を保管するために十分な管理が期待できる広さを有する場所をいう。
(3) 保管場所の選定に当たっては、危険物等で保管上の規制を受けるものまたは保管に相当の場所を確保する必要が生ずるものなど、除去物件の状態に応じた場所を決定すべきであり、または除去物件を迅速かつ、円滑に保管する必要があるので、保管場所についてはあらかじめ調査し、除去に際して食い違いのないようにすること。
(4) 除去作業に要する人員、方法等については除去すべき物件の種類数量等から勘案して定め、作業内容作業規模等によっては、第三者に作業を行わせる等適切な方法により行うこと。
(5) 除去作業中に所有者等であると主張する者が現れた場合は、作業を中止し、質問等により当該物件の所有者等であることが確認されたときは、事後の措置について必要な手続きを取らせること。
(6) 所有者等であると主張する者の確認に当たっては、物件の存置場所、放置理由その他当該物件との関連について質問し、その旨を録取すること。
3 第47条関係(保管物件の返還等)
(1) 「所有者等であることを証するに足りる書類等」とは、次に掲げるものをいう。
ア 所有者等が本人の場合は、その物件の所有者である旨の証明と本人の住民票抄本または住所氏名等を証明できる書類および印鑑
イ 所有者等の代理人の場合は、その物件の所有者である旨の証明と所有者の委任状および住民票抄本、代理人の身分証明書および印鑑
(2) 物件の除去、保管、売却代金の返還等の手続きは、財務関係規定によって処理するものであり経理担当と連絡を密にし、経理事務上誤りのないようにすること。
4 第48条関係(所有権を放棄した物件および法定期間経過後の物件の処分)
所有権を放棄した物件および法定期間が経過した物件の所有権は、若狭消防組合に帰属することとなるので、当該物件の処分に当たっては関係各課と連絡をとり、適正な処分を行うこと。
第4 その他
規程中、消防長に報告および申請等を行う事項は、すべて主管課を経由して行うこと。
第5 施行期日
この要領は、平成7年4月1日から施行する。
附 則(平成28年4月7日本部訓令第6号)
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この訓令は、公布の日から施行する。
別表第1
建築行政庁に対する違反通知事項
| 区分 | 内容 |
| ○ 面積区画 | 1 区画未設置、一部未設置 |
| ○ 異種用途区画 | 2 区画壁、床の構造不適(軽微なものを除く。) |
| ○ 堅穴区画 | 3 防火設備未設置、撤去 |
| 4 防火設備の構造不適(軽微なものを除く。) | |
| 5 配管、ダクトの貫通部構造不適(軽微なものを除く。) | |
| ○ 建築物の構造 | 1 防火、準防火地域内建築物の主要構造部構造不適(小規模なものを除く。) |
| ○ 建築物の外壁開口部 | 2 用途、規模による建築物の主要構造部構造不適(小規模なものを除く。) |
| ○ 木造3階建築物 | 3 前1、2に掲げる建築物の外壁開口部防火設備未設置(小規模なものを除く。) |
| 4 木造建築物の3階居室使用(適法建築を除く。) | |
| ○ 直通階段の設置 | 1 直通階段の設置数不足 |
| 2 避難階段、特別避難階段の未設置 | |
| ○ 避難階段、特別避難階段の設置 | 3 避難階段、特別避難階段の構造不適(軽微なものを除く。) |
| ○ 避難階段、特別避難階段の設置 | 4 屋外出入口に至る通路の区画構造不適(軽微なものを除く。) |
| ○ 特殊建築物の内装 | 1 居室、廊下、通路の内装不適(小規模なものを除く。) |
| ○ 非常用進入口 | 1 非常用の進入口未設置、閉鎖 |
| 2 非常用の進入口代替開口部撤去、閉鎖 |
備考 内容等の「小規模なもの」および「軽微なもの」の取り扱いについては、対象物の用途、規模、構造等客観的に判断するものとする。